兵庫播磨のはりはりBEST10

「エアロビック」の起源は、アメリカの運動生理学者ケネス・H・ク－パー博士が1967年に提唱した運動処方理論「エアロビクス（Aerobics：有酸素運動）」に端を発する。1970年代から80年代初頭にかけて、ダンスや音楽、レオタードファッションなどの要素が加味されたフィットネス・プログラムとして世界各地に草の根的に拡がった。

　一方、スポーツとして技の向上を楽しみ競いあう“競技”エアロビックの進化もめざましく、今では“第2のオリンピック”と言われる「ワールドゲームズ」の正式種目になっている。

　83年に「国際エアロビック連盟（IAF）」の前身団体FIAが、競技ルールと審判法を開発し、カリフォルニア州で初の競技会を開いた。これが競技エアロビックの始まりとされている。IAFは90年には世界に先駆けて「IAFワールドカップ」を日本で開催。以降毎年日本で開催するとともに、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、中南米へと展開。95年に国際体操連盟（FIG)が注目するところとなり、オリンピック種目化を展望するFIGからの協力要請があり、現在IAFとFIGは協力関係にある。FIGが参加した、「秋田ワールドゲームズ2001」には⑳日本エアロビック連盟（JAF）が協力した。

　日本では84年にエアロビック競技会が初めて開催された。現在愛好者人口は620万人と言われ、その中で競技エアロビック選手は世界の競技エアロビック界をリードする選手も含め、約2万5,000名。

　一般愛好者には、エアロビック普及プログラムが多種多様にあり、JAFエアロビック技術教程（1～10級）に基づいた「エアロビック技能検定会」が全国各地で行われている。団体種目としての「チーム・エアロビック」（1チーム3～15名）も年を追って盛んになり、国内のスポーツ交流祭典「全国スポーツ・レクリエーション祭エアロビック大会」の正式種目にもなっている（スポレク・ルール）。またNHK BS-2の定時番組「BSエアロビック」の“みんなでワンツービート”は、ラジオ体操と同様、普及定着を図るものである。

　このようにエアロビックは、子どもから高齢者まで、世代を越えて生涯にわたり楽しめるスポーツとして広がっている。

【競技部門および採点規則】

■競技部門：

＜一般の部（17歳以上）＞
　女性シングル部門、男性シングル部門、ペア部門、トリオ部門
＜ユースの部（10～16才）＞
　シングル部門（男女混合）

■競技の細目

演技時間：1分45秒±5秒
競技音楽：伴奏曲に使用できるのは1曲のみ。オリジナルも可。
競技エリア：7.6ｍ×7.6ｍ
演技構成：ジャンピングジャック・フレーズなど3種類の必修動作とエレメントと呼ばれる「難易度の高い技」を規定数まで組み込み、かつエアロビックらしい軽快なステップや動きを織りまぜて選手が自分で選んだ伴奏曲のビートに乗って演技する。
■審査方法

主任審判員、芸術審判員、技術審判員、難度審判員、ライン審判、タイム審判により審査される。


主任審判員：審判団を統括し、主にルール違反による減点を行う。
芸術審判員：演技における芸術性を評価する。
技術審判員：体力レベルとともに動きの遂行度を評価する。
難度審判員：必修動作やエレメントについての難度を査定する。
ライン審判：競技エリアのラインオーバーの有無を確認する。
タイム審判：競技音楽の長さを計る